霜冴ゆる

霜冴ゆる
今朝は昨日ほど冷え込んではいません。これは昨日の朝。新聞を取りに玄関を出ると自宅の畑は一面の霜だたみ。水たまりには薄氷。落ちたモミジの葉も寒そうに凍えていました。前の晩はどうりで静かに冷えるなと感じたはずです。霜が結晶を結びながらしんしんと降り注ぐ霜夜でした。ここで一句。

 「我骨のふとんにさはる霜夜かな」(与謝蕪村)

「霜の声」が聞こえてきそうな情緒のある句。蕪村が生きた時代の草庵で聞こえた霜の声は、現代の暖かい家の中には同じようには届いてきません。詠み人が受けた体に染み入るような感覚は私たちには本当は分からないのかもしれません。ですが、霜夜が明けた朝、玄関を出て冷気に触れ「冴ゆる」感覚。寒さが醇化された時の透徹した鮮やかさ。私はすごく好きです。


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