わりと音楽好きの方ですが、矢沢永吉は聴いたことありません。
しかし、矢沢永吉のコメントを雑誌や新聞で目にすると、その言葉に妙に惹き込まれる。独特の魅力を持った人物だと思っていました。

ということで興味を持って買ったのが、矢沢永吉激論集「成りあがり」の新装版。糸井重里氏によるインタビューをまとめた本で、初版は昭和55年と書いてあるから30年以上前か。軽い内容なので2時間ほどで読了。
細かな感想は別として気に入ったところをいくつか挙げる。キャロルで売れた頃、酒やオンナと豪遊する他のメンバーと違って下積み時代からの安アパートに遊ばずに真っ直ぐ帰りお金を貯めたということ。カーネギーの「人を動かす」を愛読書としているが、一番楽しみにしている愛読書は新聞で、隅から隅まで目を通すということ。マネージャーに「どんなズボンも似合っていいね」と言われ、「似合ってるじゃなくて似合うようにしている」と答えること。そんな中でも最も印象に残ったのは以下の話。加藤和彦氏が矢沢永吉を評して。
「俺たちがロールスロイスを欲しいって言う時は、ある面、遊びで言ってる。でも、矢沢の永ちゃんは違う。彼が欲しいという時は、腹の底から、怒りがにじんでくるぐらい欲しいと思っている」
結局、無いものねだりをして日々愚痴っているだけの私自身を、本当に情けないと思いましたね。
才能じゃない、真剣さが違う。