再配分ありき

再配分ありき
今日の静岡新聞朝刊より。10月1日から適用される静岡県の最低賃金は18円増の783円となり、また最低賃金の全国平均は798円となるとの記事。厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会が各地の引上げ目標を答申し、その結果を踏まえ各地方審議会が地域経済の実情を踏まえ決定する現行の方式になった2002年以降最大の上げ幅で4年連続二桁の増額。改定後の時給が最も高くなるのは東京都の907円であり、逆に最も低いのは鳥取、高知、宮崎、沖縄の4県の693円となる。

この最低賃金の金額は「中々の」水準だと思います。当社も昨年、時間給の水準見直しを行いましたが、この調子で引上げが続くと来年にはまた見直しをする必要がありそうです。改めて感じるのは再配分ありきだな、と。政治の世界を始めとして相変わらず「格差」に対する「再配分」が喧しいが、更なる再配分が必要なほど日本は公正さを欠く国だと私は思いません。社会保障や税による再配分を加味したベースでみたジニ計数は30年前から殆ど上がらず、諸外国と比べても格差の程度は小さくかつ安定している。つまり格差は拡大していない。

ワーキングプアなど新たな貧困問題は否定出来ないが、それは再配分の問題ではなくセイフティーネットの領域の問題。それを「格差だ!」と恣意的に位置付けるからおかしなハナシになる。そういう意味で私は議論自体が立ち消えになった「ベーシック・インカム」の導入が有効と考えますが、まあ実現は絶対に無理でしょう。何故かといえば現在の社会保障の仕組みで食べているお役人様が多いから。社会保障関係の給付一元化という行政改革が必要なBIは抵抗勢力の餌食になるのは明白。格差を「救う」制度ではなく、格差に「巣食う」制度であることが隠れた問題です。


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