頭から通して読む訳じゃなくて、時々手にとって適当にめくったページを拾い読みする本がいくつかあります。私にとって「座右の書」っていうと大げさだけど、常に手許においておきたい本です。そのうちの一つが、小山昇氏の「仕事ができる人の心得」。
ちなみに、私は巷間にあふれる自己啓発チックなハウツー本は嫌いです(若いうちに読むのは否定しませんけどね)。そんな私的に、この本、タイトルは自己啓発ハウツー本みたいでかなり恥ずかしい感じ。しかし、そんな想像に反して内容は、経営的な言葉や日常でよく使う言葉を用語解説する辞書みたいなつくり。これがすごく面白いんです!
全部で1300ほどの用語のうち、「あ」行と「か」行から少し引用して紹介します(強調部分も原文そのまま)。
【
温かい組織】
部下が上司に従うのは、魅力という情のウェイトが高いからです。情のない組織は、規則やシステムを数多く設けて社員を従わせようと工夫するが、むしろ冷たい関係になって、個人無視、自由度のない経営を進めることになる。
【
言い訳】
適当にごまかすことです。できない理由を述べることです。自己防衛のことです。
自分ができないとか無能であるということを、アピールしていることに気づいていない人のやることです。
【
忙しい】
目先の仕事ばかりやる人が陥る。計画性がない、暇な人ほど忙しいと言う。子供1人のお母さんは子育てでてんやわんやする。2人いる人はてきぱき育てる。3人超えれば、4人も5人も同じ。
【
一致団結】
一人一人違った価値観をもった人が集まっているのだから、求めるほうが無理。心を合わせることができない人が出てくることを、予定に組み込んでおくことが大切です。行動だけ一致すればよい。木は形が違っていても、燃えれば同じ火になる。
【
うぬぼれ】
あなたがいなくても会社はつぶれない。あなたがいるから下が育たない。これでみんなが命取りになる。
【
活性化】
トップが代わるのが最良の策です。上がいなくなれば下が上の役につき、心構えが変わる。
【
窮地】
社員を陥れる、言ってはいけない言葉。①わかったか(わかるまでこちらで質問する)。②前にも言ったではないか(1回や2回では誰もできない)。③2度とやらないな(聖人みたいな人はいない)。
【
兼務】
意味がない。楽なほうに流れる。困難な仕事より、楽な仕事をしたいと思うのが人の常です。少々能力不足でも若手を抜擢したほうがよい。
著者の小山氏が実際に長く会社を経営し、成功も失敗も積み重ねた実体験にもとづく含蓄のある言葉の数々。痛いくらいでしょ。興味のある方は、自腹を切って(←これが重要)本を買って読んで下さい。
しかし、勉強や仕事にしても遊びにしても自腹を切りたがらない人、意外に多いね。そんなの真剣さも楽しさもないし、自分の身につくものはないでしょ。逆に時間の無駄だね。